北海道@アンモナイト日記

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zoom RSS アンモナイトの落とし物  日高地域カンパニアン前期の沢 2008.3.30

<<   作成日時 : 2013/08/08 07:24   >>

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みなさん、こんばんは。

今日は「アンモナイト置き忘れ」の話題です




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午前中のS川本流の巡検を終えて、

「午後からは、キャナド多産の沢に行ってみようよ。」

Y先生とCさんを誘った。 

めざす沢が流れる林道に入り、良さそうなポイントに車をとめ、沢を歩いた。

有名な産地の三笠、夕張、穂別にくらべて、

あまり人が歩いた様子がないことが、すぐに感じ取れた。

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割られた石も数年は経過しているようで、表面が風化している。

しばらく人目にとまらずに残ったノジュールがいくつか見つかった。

割ってみると、独特な放射肋をもつイノセラムス、

Sphenoceramus shumidti が顔を出した。

カンパニアンを示す示準化石だ。

「これは、キャナドが出るぞ。」

まもなく、Cさんが7cmくらいのキャナドセラスが入ったノジュールを見つけた。 

私は露頭の下の河原のごろごろとした石の間に

たてに挟まるように刺さった、20cmのアンモナイトを見つけた。

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キャナドかゴードリ? はたまた、大きなネオフィロ??

アンモナイト1個のまわりに薄く石灰質泥岩がとりまき、ノジュールになっている。

それが地層から出たあと風化したとみえて、

両側面のへその部分にちょうど石でふたをした状態。

腹面がぐるりと一周削られて、ぎざぎざの縫合線が見えている。

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まるで三笠のアルビアンのアンモナイト、Ammonoceratites の産状にそっくりだった。

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「やっほー!」

リュックからカメラを取り出し、何枚も写真を撮った。

下流から戻ってきたCさんに見せると、うらやましそうな顔。

その後もひとりでカメラのセルフタイマーを使って、

何枚も記念写真を撮って車にもどった。

幸先のよい採集シーズンのはじまりに、気を良くして帰路についた。


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この日はCさんの車に同乗させてもらい、自宅まで送ってもらった。

「もーりんさん。今日採ったアンモナイト、もう一度見せてよ」

「いいよ。今出すね。」

リュックのひもをほどき、中に手を入れると、

入っているはずの20cmのアンモナイトがない...。

「えーっ?、そんなばかな・・・(*_*; 」

2人で車内の隅々まで探すが見つからない。


興奮してセルフタイマーで記念写真を撮ったあと、

このアンモナイトをリュックにしまうのを忘れたのか、

それとも車まで運んだあと、トランクに入れるのを忘れたのかさえも記憶がない。

いつもなら、こんな収穫があった夜は温泉に寄って、

のんびり湯舟につかって至福のひとときを過ごすのだが・・・。

後悔の念と、もしも新聞紙に包んだ状態で人目につくところに置いてしまって、

誰かに持ち去られるかもと不安な気持ちが入り交じり落ち着かないまま、ふとんに入った。

 
**********************************************************************

翌日は月曜日なので勤務がある。

未明3時に、妻に同乗してもらい自宅を出て、

80km先のきのうの沢をめざし暗闇の国道を車を走らせた。

林道の入り口に着いたときには、空がわずかに明るい紺色になった。

きのう車を止めた所まで林道を進み、懐中電灯であたりを探す。



「な、無い・・・(@_@;)」

「誰か持ち去ったんじゃないの」

妻を車に残して、今度はこれを拾った露頭の下と、

記念写真を撮った場所をめざし、

夜明け前の薄暗い沢づたいに下流に向かった。







めざすアンモナイトは河原の開けた場所にぽつんと裸のまま転がっていた。

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「あった・・・。」

じぃーん・・・。 じわじわとこみ上げてくる安堵感。

きのうこれを発見したときよりも、数段大きな喜び。

眠気を堪えながらの帰路。

8時前に自宅に着き、

それからぼーっとした頭で出勤した。



*************************************************************************



クリーニング後のお姿 
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                       D20cm
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                       B7.6cm

螺環の高さがかなりあり、幅は狭い・・・。

Canadoceras kossmati でも Canadoceras yokoyamai でもない。

へその形態や螺環の断面は

Canadoceras multicostatum Pachydiscus awajiensis に近いが、

わずかに残った肋は、まばらな印象。   

Y先生からは、アラスカから産出するCanadoceras newberianum

論文コピーをいただいた。

「北海道アンモナイト博物館」p.139 の

Pachydiscus (Pachydiscus) hidakaensis Matsumoto et Kanie,1979 にも似ている?

しかし、産出層準はマストリヒチアン?





このアンモ、6月2日に むかわ町穂別で行われた

西村・重田博士による

普及講演会に参加したときに持参して

鑑定してもらいました。

その結果は?・・・・

来週のブログで報告します。  (*^_^*)


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コメント(22件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます!タイトルは、私も体験してますよ〜回収に行かれるお気持ちよく解ります〜産地的に、サイズが大きいと、へそ隠れアンモナイトが目立ちますよね!そして内部は結晶化、あの、アンモナイトでしたら、嬉しくてたまりませんし、感情が高ぶり、肝心なアンモナイトだけを忘れる気持ちも解ります。そして、夜明け前に奥様と行かれるの♪素敵です。アンモナイトが無かったら、出勤しても、頭の中は後悔しかありませんよね!!良かったですね♪画像のアンモナイト、一見、パキデスカスに見えますね!!縫合線やへそ、厚みなんかから、鑑定されたのですかね!!楽しみです。(^.^)
アルビアン
2013/08/08 09:51
あわや痛恨、再会できて良かったですね〜!自分にも似たような経験がありますが、置き忘れをしたり割ってしまったりするとその後しばらくツキから見放されるような気がします。
ニャロメ
2013/08/08 18:55
こんばんは。
僕もアルビアンさんと同じでパキディスカス科のアンモナイトに見えます。
それもマストリヒシアンのパタジオとかの部類に・・・
清浜や中川のキャナドとは全然違う個体だと思いました。
この様なアンモナイトを採集された時は、地層年代を頭から一度リセットして
幅広く考える事も一つかなって思います。

で、アラスカ産のC・ニューベリについてはよく分かりませんが、昔・・日本ではコスマチを一時ニューベリって言ってましたよね。
いったい、どうなってるんでしょうね。(笑)


りんぞう
2013/08/08 19:18
もーりんさんも、やりましたか! 私もありますが、これはビックな忘れ物でしたね。でも翌日の勤務日なのに、早朝再訪とは凄すぎます!! 奥様も理解のある方でよかったですね。ちなみにこの時、お子さんはどうされたのですか?
このアンモは私もパキディスカス科のアンモに見えます。鑑定結果が気になりますね。最近、熱い時代のアンモですね!!


ZX9-R
2013/08/08 20:01
コレはまさに思い出深い一品になりましたね(^o^)これは取りに行かないわけにはいきませんね。
私は今年、逆の…忘れ物ノジュールを2個ゲットしました(爆)ハンマーで小さくした形跡のあるノジュールが並んで川縁の端にありました。先行者の足跡が大分経っていた様子から今日のものではないと判断して…頂いちゃいました(^_^)v
アンモ屋
2013/08/08 20:13
いや〜見つかってよかったですね^^ 80キロの激走お疲れ様でした
思わず懐中電灯で照らすイラストを見て笑ってしまいました
皆さん経験ありますよね。いれたはずの化石がない(@@;
焦ります、しかも大事なものにかぎって忘れるという
すれて縫合線が見えてしぶいですね、かっこいいアンモです20センチでかい
はにわ
2013/08/08 20:28
2回目の投稿です。
今気が付きました。
もしかしたら・・・僕が所持してる不明なキャナド??に似ているかも?
実際、コスマチが20cmほどになれば、どうなるのか?よく分かりませんが
ある博士によると幼殻の時はコスマチもミスチーカムもミニマムも見分けがつかない様です・・・って言うか、まったく同じって言ってました。(笑)
りんぞう
2013/08/08 20:29
アルビアンさん、おはようございます
アンモナイトのおき忘れ、みなさん経験していますね。
これは、私の置き忘れのなかでも最大サイズのものでした。
いきなりのパキディスカスとのご指摘、さすがに鋭いです。
もーりん
2013/08/09 06:45
ニャロメさん
わたしも同様です。
こんなの要らないと、現地に放置してきた種類に限って
その後、二度と採れないことが多いです。
私の場合は、横着な性格と
その時点での知識や興味のレベルが狭いことが
原因になっているようです。
もーりん
2013/08/09 06:57
りんぞうさん、たくさんのコメントありがとうございます。
私は、キャナドが大好きで、りんぞうさんのキャナドの話題
にはとくに食いつきがよく、勉強させていただきました。
重田先生に見ていただいたところ、りんぞうさんのご指摘の
「地質年代を頭からリセット」することの重要性を
思い知らされました。
また、コスマチとヨコヤマイの違いについても
質問したことがあるのですが、キャナドセラスは
そもそも、最初の記載(1890年頃)が未成年殻の標本だった
ことによって、混乱・混同しているそうです。
わたしたちが、「よくわからない?」と言っていたことは
まさに専門家にとっても、そのとおり未確定のようです。
もーりん
2013/08/09 07:11
ZX9−Rさん
おはようございます。ZX9−Rさんの目にもパキディスカスに
見えますか! 私はカンパニアン下部のシュミティーゾーンからの
産出との固定観念が頭の中にはびこっていて、キャナドセラスの
変わったやつ・・・と思っていました。

もーりん
2013/08/09 07:22
アンモ屋さん
忘れ物2個ゲットですか!うらやましいです。
どういうわけか、私は忘れてばかりで、拾い物の経験が
ありません。
立派な白手のハウエリセラスを、帰りに回収しようと
思って、立ち木の陰に隠して、帰りにどこに置いたか
わからなくなって、同行の先輩にからかわれたことが
あったのを思い出しました。
もーりん
2013/08/09 07:28
はにわさん
このアンモ、一見ぱっとしませんが、手にとってみると
程よい大きさ、見た目以上の重量感がずっしりとあります。
この沢の石の特徴で、鉄分がかなり多いようです。
菱鉄鉱(りょうてっこう)ノジュールというのかも?
もーりん
2013/08/09 07:32
りんぞうさん
これに似たりんぞうさんのコレクションを
公開してください。よろしくお願いします。
ある博士は?イニシャルだけでもそっと教えて
ください。
もーりん
2013/08/09 07:36
うひゃー!気持ちわかります〜!
時々やります。
しかも、こんなの要らないやー。と自ら置いて来てから
やっぱり持って帰れば良かったかも・・・と言う後悔も何度も。
あって良かったですねー!!
今度から皆さんが採集に行ったすぐ後に採集に行き、おこぼれをコッソリ持ち帰る
って手法に変えようかな。(笑)
じゅりあ
2013/08/09 13:06
もーりんさん危なかったですね~!
けど、最初に発見した喜びと再度回収出来た倍の喜び。
ガソリンがかかった分高いアンモナイトになりましたね(笑)
その代わり忘れられない思い出になったのではないでしょうか!
トシプ
2013/08/09 15:33
どっもばんはで〜す(+∀+)!!!
置き忘れ…(+∀+;)イヤナコトバ。。。「化石採取あるある」ネタかもですが…。もーりんさんクラスになると、置き忘れすらゴイス!! こんなスンバラシー縫合線が出たアンモさんに出会ったら、ドキがムネムネ。お写真からも、もーりんさんの喜びが伝わってきます〜。それだけに「無いっ!!!!」と知った時の衝撃はカナテコかと…。きっとワタクシも探しに戻ると思うです。それにしても、薄暗い中、よく再発見出来ましたね。もーりんさんの元へ行く運命だったのかも〜。 何子ちゃんだったのか…次回楽しみにしています〜。
しもじものもとろん
2013/08/09 20:10
じゅりあさん
N地域のとある産地ではユウパキは1個背負えばそれで1日の仕事になるため、
ほかに見つけると、土の中に埋めたり、草の中に隠してくるそうですよ。
7個のユウパキを隠している方に実際にお会いしたことがあります。
もーりん
2013/08/09 22:26
トシプさん
アンモもさることながら、今までに商売道具の大ハンマーや小ハンマーも
何度か山にささげてきました。
最近はCさんと、ガソリンスタンドマンのように、声を出して「リュックよし!
ハンマーよし!アンモよし!」と確認して山をでるようになりました。
もーりん
2013/08/09 22:32
もとろんさん
ブログ開設1周年、あらためておめでとうございます。
今回のもとろんさんのお写真の美しさにも感動しました。
ゴーギャンの絵画のようでした。
これからも、よろしくお付き合いくださいね。
もーりん
2013/08/09 22:37
今回は、ご一緒できなくて残念でした!
この度の北巡検で、翌日回収、初体験の私。
顛末の詳細は、そのうち報告いたします。
fossil1129
URL
2013/08/14 19:20
fossil 1129さん
あの白手の30kgの住房の回収ですね。
復元後のお姿、楽しみです。
もーりん
2013/08/15 00:23

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